2011 8月 の日記


8月1日

ひとりでぷよぷよ。
空からぴたりと色の合うぷよぷよが落ちてきて
五連鎖で消失する元気。
俺の元気を何処へやったんやぁ。

8月2日

二層以上からなるゼリーのことと、恋愛感情について考えていたら
夜になったので
湯船でしゃぶしゃぶ程度に湯がいてから、布団に放り込んだ。
夏に相応しい考え事をして満足である。
他人の語る夏は大嫌いだけど、自分の中にある夏は、そんなにいつも嫌いってわけでもないんだよ。
他人の夏休みについて訊いちゃうけどね。
吐きそうに息苦しいしね。

8月3日

何度も呼びかけられて
視線を向けると
顔見知りの小さなおとこのこが
満面の笑顔で手を振ってくれた。
全裸で。

着替えの途中。
とくと御覧有れ、とばかりに、彼のキューピッド的な部分があけすけである。
見せたくて仕方のないお年頃らしいのである。
キラキラした目をして、信じて疑わないのである。
全裸で。

わたしに出来ることは何でしょう。
①明暗で見る。
②木炭で測る。
③感想を言う。
④フォトショップ処理。

8月4日

悲しくて息が詰まる、とか
悲しみと無関係に吸えるから、とか
付きまとう何かと共存するために、とか
明日が来ることをネガティブに思わなかった一瞬、とか
病めるときも健やかなるときも
煙草が吸いたいのです。

8月5日

とてもキレイな脹ら脛の夢を見た。

8月6日

スーパーに入ったら
子どもさんの履いているピヨピヨ鳴る靴の音が喘息の音みたいで
ぎゃああ、つって膏肓に入っちゃってて、出てこなくて参る。
わたしが、膏肓からこんにちは。

8月7日

身体が沈んでいきます。
これは何かに似ている。
歯医者さんで口だけ麻酔かけられて
何か変!と思いながら
倒れていく椅子に抵抗しない時とか、そういうのと似ているかも。

8月8日

だんだんと顔を覚えていただけているようで
お客様にお心安く声をかけていただいたりして
ありがたいことです。
明るく礼儀正しく親しみやすく、そつのない応対のできる、時給の亡者を目指します。

取り立てて面白くもありませんが
アルバイト中にショックな出来事があったので聞いてください。

女性が5、6人いらっしゃる横で作業をしていたら
「あんたホンマにきれいな顔やね」
「眼鏡外したら美人やで」
などと誉めてくださったので
「お恥ずかしい。
だかしかし
眼鏡かけてても美人ですろう?」
みたいな、おちょけた返事をしたら
すー・・・っと引かれてしまいました。
「そんなん言うたらいかん!自分で言うたら価値が下がるき!」
「今みんなびっくりしたで!」
などと
ダメ出しをされました。

わたしのボケ方が雑なのかとか
間が悪かったかなとか
何を目指しているのか分からないほど悩みましたが
おそらく一番の理由は
『ここは大阪ではない』です。
当然のように、フリなのかと思いました。
ボケたらその、手に持ったお水を零していただけるものだと。
文化の違いに、脱藩を考えてしまう程のショック。

難しいですね。
あまりボケそうにない容姿のせいもあるのでしょう。
全部、わたしのきれいな顔がいけないのだと思います。

追伸:時給が出ていないときは黙殺しますので、よろしくお願いします。

8月9日

何度も打ちかけて止める。
日記を更新しないのは
夏休みの日記はまとめて書く、捏造するものだからだ、
あったりまえじゃん、と言うことにすることにする。

8月10日

子どもさんが、自宅に忘れ物をしてきた。
予備を使うように提案すると
「自分のでなくては嫌だ」
と言って号泣する。

気持ちは分かります。
けれど、どんなに自分のものを使いたくても
他人のものを使わなくてはいけないときって、あるよ。
臓器とか。

そう諭しそうになったが、
泣くことで興奮が呼び起こされてまた泣く、というスパイラルに陥った低学年児童に、
そこのところ、分かって貰えるか分からなかったので
疲れてトーンダウンしていく少年の螺旋型を端から観察した。

8月11日

夢の中。
ニコニコマークが油性マジックで描いてあるビニールのボールを
拾うレクリエーションを子どもさん達がしていて
わたし、そのボールを受け取って、集計するアルバイトをしていた。
小さな子たちがニコニコと持ってくるニコニコマークをニコニコ受け取りながら
お腹の中で
「あなたたちも、本当に笑える日が来るといいね・・・」
と思っていた。

本当に笑うとは、いかなる事象で、笑えてへんのは誰やねん。

8月12日

祖母が飛行機に乗って来た。
「背が高くて良いね。3センチくらい分けて貰わないと。アタシ縮んでるから」
と宣う。
スポン&おぎゃあのリリース以来、お世話になった都合を鑑みると、3センチくらいは差し出して然るべきである。

比較的、年配のひとは気軽に「身長を分けろ」と言うが
「さしすせそ」を貸し合うように
昭和初期には身長もやりとりしたのだろうか。
老婆知識袋に潜むのかもしれない身長の贈呈処理方法。
詳しくは訊けずにいる。
痛そうで怖いもの。

8月13日

再び祖母。
食事の席につきながら
「ああ、良かった!」
と呟くので
何が良かったのかと問えば
なにということはなく。
ただ、それは、彼女の口癖だったのでした。

かつては、プリプリ、イライラしたり
ため息をついていたけれど
子どもが巣立ち、親を見送り、夫を見送れば
抱えていた心配事が
生命保険のCMのように落ちていき
後には
「ああ、良かった!」が残った模様。

孫たちの生まれるはるか前に、祖父と小さな石を拾った海岸で、
今、再び石を拾い
形の良いのはお仏壇用に、と選り抜く祖母は齢八十二。
顔の小皺を撃退するべく、毎朝コラーゲンを摂取しておられるそうです。
スゴいんだから、もう。

8月14日

顔に出す、口に出す、顔に出る、それぞれ別のことなのである。

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