2012 2月 の日記


2月1日

たしなめるのは、あまり気の進むものではないが
母国語が異なる相手には
一段と注意をしにくいと感じる人も居ることを知った。
国際言語の得手不得手もあるが
これは、その人が通常の意思伝達において、何を頼りにしているかの差ではないか。
躊躇いを感じる人は、言葉のコミュニケーションを大切にしているのだろう。

考えるに、わたしは普段から、あまり何も気にしない。
老若男女は元より、動物や木や草、家電製品に至るまで同じ調子で扱う。
神や幽霊に対しても、きっと同じだろう。
母国語が異なっても、仕事ならば 
「 気をつけてプリーズ 」 と言う。
ある意味で素直な質は
綺麗に言うと、クック・ロビンにも似て思えるし
無頓着、とするなら、他人と海の藻屑を一緒くたにしている、とも言う。
藻屑も嫌いではないですけどね。

2月2日

夜更けに雪が舞った。

2月3日

どこかの大学教授に
「 すべての牛肉は呼吸が止まっています 」
と教えてもらう夢を見た。
最近の呼吸はどうですか?
わたしは場面で、呼吸し放題です。

2月4日

ドアを開けると乾燥大豆が幾つも転がっていたので
誰かの置いていった道標か、と追跡すると
隣のお店の勝手口まで続いていました。
基本的に拾い食いはしませんが
3秒以内かなぁとか、一応考えました。

2月5日

帽子を目深に被って歩き
キラキラの揺れるかんざしと
ピンクのリボンのついた髪飾りを買って
たまらない気持ちになった。

2月6日

同業者を偵察に行くアルバイトをしました。
知らないふりをして
目を、へぇー!、の形に開くお稽古をしました。

2月10日

・空っ風が吹いて、大抵の日は空が真っ青
・呼ばれた気がして振り向けば烏
・暖房の効いた部屋に激萌え

生活はシンプルな三箇条。

2月11日

契約中の携帯キャリアに生じた通信障害をニュースで知るわたくしは
たとえ復旧に年単位の時間がかかろうと、一寸も困らない。
メールを送受信する予定が無いのだ。
何故か、芯から、得をした気持ちになったのであった。
お客様満足度はナンバーワンでかまわない。
よきにはからってくださって、かまわないよ。

2月12日

自宅にてパワースポットに座す。
我が家にそういう魅力的な場所があると知られると
変に観光地化して困るかもしれないから
ここだけの話にして欲しいのだが
パワースポットはガスストーブの前である。
来たらあかんよ。

2月13日

お客様の軽口に少しだけムッとして
前を向いたら
見慣れた顔があった。
あ・・・この子とこの場をどうしよう、という表情。

あは、めんご、今、素だった。
態度と口のチャンネル、押し間違えたよー、とは言わぬ。
巻き戻して、上書き保存をかけるだけだ。

2月14日

今まで、自分がいかに他人に気を使われて生きてきたかを思い知るのである。
腹が立って、眠れなくなりながら。
僕ら最初からきっと一生そうなの。
目を合わせないの。
殴るときの触感、とても嫌だから、
くわえ煙草でスイッチだけ押すね。
貴重で掛け替えがない貴方のお名刺にガムを吐いて捨てて
名前を呼んだら身体を跳ね飛ばすバス!

2月15日

防寒に優れた長袖の服を着て
適温に保たれたサウナに入り
10分間苦言を聞きました。

2月17日

待ち合わせて
「 おはようございます 」 に続けて
「 宮沢賢治は、どうして岩手に帰ったの? 」 と訊いても
なんの不思議もなく答えてくれた貴方に甘えて生きていきたいわたしは
今日、貴方の 「 面白ぇ 」 だけを受け止めて
ありがたがりました。

おはようございます。
優しさは逆に仇で返すつもりですので
ものすごく迷惑をかけるまで、どうぞ健康で居てください。

2月18日

昨日の電話で
「 相変わらず、可愛げがない 」 と言われたことを
密かに気にした(りするところが可愛い)わたくしは
今日こそ日記に可愛げのあることを書こうとして
『 可愛げ 』 を字引で引く。
意味をかみ締めつつ表を眺めれば
晴れた空から雪が舞い降り
窓には金魚の泳いでいるバケツの水、即ち金魚の漬け汁が煌めいている。
口の隙間から 「 うう・・・ 」 という音が漏れる。
可愛げをかみ締めると音が鳴るのか。
よし、この音を、着信音にしよう。

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