2012 3月 の日記


3月1日

街中、目の前のお姉さんの服にガムテープが貼ってある。

「 はい。服に穴が開いていたので、貼りました。 」
そう答えて驚かれ
美術大学出身者と一般常識のズレに揉まれたことのある自分である為
少し迷ったが
教え、感謝を受けた。
あと、テストを受けた。
まるばつ問題風に言うと
テストでそれなりの点を取ったので
それなりの時給アップを期待するが
今後も服はガムテープで直すつもりだ。
そこに対しての 正 or 誤。

3月2日

ひとまず置いておくことに着いてこられないヤツは置いていくよ。

3月3日

我々がXXとXYの染色体である以上、いつか男は消えてなくなるという学説。
どっこい、居なくなりません派、の論文がネイチャーに載ると
先月、報道されていた。
それが印象的だったのであろうか。
『 全ての日本人は、いずれ名字が鈴木になります。 』
と言われる夢を見た。
『 全ての魚もスズキになります。 』
とも言われた。
鱸かな。

3月4日

夏になる前、アルバイトを始めた頃、いつも
「 辞めさせていただきます 」
という言葉が出かかっていた。
魚の骨のように喉に引っかかるそれに
1日5回は気を取られた。
秋が来て、冬も去ろうとする今日も、5回は飲み込んだ。
漫才の終わりのように
「 もうええわ 」
と言いたい。
そして軽快に礼がしたい。

以上、まるでダメ人間なことを
できるだけ爽やかに書いたつもりだ。
結果は問う?
アナタって、そこ問うタイプ?

3月5日

食べごろのアボガドを剥くから、食べにおいで
って、突然誘われたい。
側溝が、緑茶とカフェオレを混ぜた色をしてた。

3月6日

パソコンがウイルスに感染。
とりあえず倒れて、畳の匂いを嗅いでいたら
すごく落ち着いた。

3月7日

ドローイングをファイリングしながら泣いた。
観る人が泣いたら、大笑すると思う。
笑いながら、号泣する。

3月8日

病院に行き、ハキハキ受診した。
「 ちょっとくらい間違ってもいいから、早くして 」
とは言わない。

3月10日

親展。
庭に沈丁花の匂いがしているよ。
薄いコートを着たら、少し、気が春に寄ったよ。

3月11日

記憶、手繰っては繰り返していたから
去年が映像みたいに再生できるんだ。
テレビとメール画面と電話の向こうと、すごく晴れていて、目の前は何も変わっていなくて
寺田屋の近くの曲がり角の塀に、めちゃめちゃ光があたって、影が濃かったこと。
それは、あのとき一人暮らしをしていた自分の姿で
それを誰かが撮っていたみたいな、ただそれだけの映像、なんだけど。
ただそれだけを、繰り返すだけなんだけど。

3月12日

自転車に乗っていたら
澄んだ空から水滴が少し落ちてきたので
妖精が自転車と併走しながら
泣いていたのかな、と考えた。
眼鏡を外したら、表面にキラキラした粉がたくさんついていたので
つまりさっきの妖精さんの粉、と考えた。
わたしは辻褄を合わせる女。

3月13日

三半規管が弱いので乗り物が恋しくはありません。
とはいえ、11時間眠り続けても、ダメな人間扱いをされず、寧ろ感心される貴重な場ですし
薬局に並んでいた薬を溶かし、志ん朝を流し
大量のボタンがアスファルトを転がり落ちていく夢でも見ていれば
気がつくと朝になって、新宿にいる訳。

ほら、わたし、ダメじゃないよ!と主張しても
ビジネススーツの交差点から明らかに浮いた風采。
朝の新宿で人混みに向かい「コラ!」と叫んだら
一体どのくらいの人数が振り返らずに逃げるかという実験をして人間の後ろめたさを量り
自らの背徳感を曖昧にしてしまいたい欲求に駆られる朝。
だってさ、都会は、家のない人たちがゴロ寝していて
そこまでのハードルが、すごく、低いんだ。
低くて、越えられそう。
とか俯いて考えているので、駅で迷うし、すぐネットカフェという個室に吸い込まれちゃう。

3月14日

上野へ行きました。
お世話になったみなさま、ありがとうございます。
出品作家の近藤さんが、出会って四言目くらいで
「 ねぇ、何カップ? 」
と尋ねるので
ペインターの目で捉える以上に、敢えて訊いちゃう?的な
戸惑いを感じましたが
わたしも彼女の胸部をまじまじと鑑賞していたので
質問自体は差し支えません。
因みに、わたし史上、バストという大陸は未だに発見されておらず
コロンブスでも、発見は正直、難しいと思うよ。

あと、道端で
「 スカウトしてるんですけど 」
に対して
「 わたしのこと、知らないんだ? 」
と言い
「 愛人になりませんか、お金持ちとかどうですか 」
に対しては
「 間に合ってます 」
と言いました。
「 わたし、あんみつ食べます 」
と言ったら
スタッフさんがパシってくださったみはしさんの杏入りあんみつをホテルで食べながら
東京ってデンジャラスシティななぁ、と思いました。
みなさま、どうもありがとうございます。

3月15日

新宿御苑で風に煽られる花も葉も無いバラの
茎にびっしりと生えたトゲを眺めながら
「 恋愛したいから東京に出てきたい、って言ってみたけど、嘘。
ルミネtheよしもとに通いたいだけ。 」
という心のトゲを寒風に乗せました。
それから、洋服に御苑の芝がいっぱい付いているのは
意外性としてメンズをグッとさせるに至るか
という議論をしながら
芝を銀座に運び
そこで心に訴える展示を見て
貴方にも見せたいと思いました。

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