2012 7月 の日記


7月9日

朝起きて、ひと悶着。
ちょっと、わたし仕事だから出て行ってよー。もうー。
って言ってんのに
「 ちゃうねん、足とシーツが絡まって動かれへんねん 」
「 あー、頭、下に向けてっと楽かも・・・ 」
みたいなアレで
二日酔いのオトコ、何?ほんと、しょうもない!
「 仕事、何時上がり? 」 じゃないわよぉ!ナチュラルに居着かないでよぉ!
みたいな体で
鮮やかな緑色のカナブンが部屋でダラダラするので
体格差を駆使して玄関から放り出してやりました。
わたし、わりと古風だし、いきなり同棲はちょっと。

でも、あれこれ言っても、やっぱり、スキじゃん?
次に来たら
来る前に電話してってばー! ・・・お化粧直しておくから。
から会話を始めたいと思います。
頬染めて。
で、カナブンのブンって、親分のブン?
それともクリリンのブン?
わたしは何を言うてるの?

7月10日

ドラッグストアへ入った途端に話しかけられた。
「 すみません、女性の、除光液ってやつはどこにあるか分かりますか? 」
「 女性の 」。
除光液と無縁で生きてきて
奥さまかお嬢さまに頼まれたらしきおじさまの
途方に暮れた表情に胸キュン。
そして女性の除光液のありかを問われるわたくしは、どうやら女性。
それはつまり、今わたしが立っているのと同じ場所には女性が立っている、ということ?
超至近距離におんなのひとが居るのと同じ?
ええええ!?どうしよ。照れるゥ。
って胸キュン。

7月11日

心身のリハビリ中です。
バッキリ、心の骨折やっちゃって。
飛行機みたいなギターの音と、エアコンの室外機の排水に風のノイズと、いつでも自分と話をするようになって、自分の冗談にゲラゲラ笑うまでは良いけれど、突然機嫌が悪くなって意味わかんなくなるのは困る、っていうか、ああ、それはわたしの普通だ。
そういう、何がスキで、何がキライとか、お前なんか大嫌い!!

7月12日

アトリエの外、といっても室内、に出たら
夕方がねっとりと座っていた。
こんなところに置いておいたらすぐに熟すね。
自分を置いたら身体が熟れるね。
そしたら食べてよね。
握って、指で跡が付くくらい押して、皮をむいて、べたべたするのは夏だからね。
グラスを混ぜるような音で風鈴が鳴っている。
夜になったら少しは涼しくなるから、そしたら、途方に暮れようネ。

7月13日

裸の貴方の形で雲が空を流れても
なんてことないね、つって
飛行機の形は伏せ目がち。

7月14日

人生の先輩や小さい子どもさんを連れた方には
可及的すみやか、かつ、にこやかに電車内で座席を譲ります。
譲った瞬間にパンプスの靴ずれから出血していたことを思い出して、慌てたり、する。
何も考えず、脊椎反射で譲るからそういう事態に陥る。

四年ぶりに会った同級生に
相変わらず変わり者だと言われて少し傷つきました。
優しい子だと、誰も知らないから妙な目で見られるのかもしれません。
今後は端々に、いいひとエピソードを組み込もうと決意し、このような日記になりました。
神へのアピールです。
神が見逃している気がするのが最たる問題です。
見てンのか見てないのか、判りづらいので
神であることに甘んじることなく、見たらちゃんと名前の横に押印して、次の人に回しておいてください。
朝礼も出てください。
最後の一個を使ったら補充して
ポストイットでなくても良いメモは、なるべく裏紙を利用してください。

7月15日

クライアント様が
あそこに立ってる人、すごいキレイだけど大丈夫?
って言ってたよと、チーフが教えてくれました。
ここでだいじょばないのは
勤務中の表現が 「 立っている人 」 であることです。
「 お前、何してるん? 」
「 立って・・・立ってんねん。 」
これでは落語に出てくる阿呆です。

くるくる回る椅子に半分だけ座っていることもあるし、床に片膝をついていることもあるので、だいじょうぶだと信じています。
俺はオッケーだと信じています。
信じてストッキングに開いた穴で勤労を証明します。

7月16日

顔の上に笑顔を描いて出勤し
アルバイトに勤しみ
帰宅して
渾身の舌打ちをキメました。

7月17日

元気そうでよかったと言われると、悲しくなるのは何故でしょう。

7月18日

みんなが大好きなルノワールの睡蓮って、メリハリの効いたコンポジションが、瓢亭のお膳みたいですけど
上野は不忍池の睡蓮って、鮨詰め、というか寄せ鍋、というか、炊き出しの鍋の中みたいですよね。
茹だるような生命力、密集ぶりを美術館で喩えると、ほぼ、100分待ちの人集りに相当しますが
本日の東京都美術館は丁度そのくらい混んでおり
わたくしと姉上は潔く挫けました。
踵を返し、ぷりくらを撮って帰宅しまして
迂闊なことに
猛暑日に100分間並んででも絵が観たい、という他人様の情熱に対して感涙するのを忘れました。
次回は、 『 感動の余り、碑を建てた!の巻 』 になる予定です。

7月19日

暑い日が続きます。
お元気ですか?
わたくしは節電を心がけ、エアーコンディショナーを極力使わないようにしておりましたので
十数年ぶりで腕にあせもを作りました。
快適な空調、冷房用に羽織りものを一枚携帯、なんて、当然に受け入れた今までの自分、受動的な態度
それは置いておいてマジ痒いってカンジですが
汗が肌を伝う度、あせもを作って遊びまわった頃の記憶が胸をかすめ、懐かしさを覚えます。

焼けた肌に水着の跡をつけ
蚊に刺されたり、ブヨに刺されたり、アトピーになったり、とびひになったりと
花丸元気印であったあの頃。

今以て、わしゃピンピンしとりますが
性格はやや暗くなってしまいました。
にもかかわらず
人当たりよく、差し障りなく暮らそうとするところに歪みが生じていて
「夏休み、どこか行くんですか?」という質問が、一番怖い。
それも兎も角、腕は痒いし
最初に日記に記そうと思った出来事に着地できないまま、文字だけが増えていくのは
室温が高いせいで知的生産率が落ちているからではないか。
そういう責任転嫁。
人のせいにする大人。
今年の夏休みの宿題の自由研究のテーマは
『 人のせいにする大人 』 。

7月20日

喜怒哀楽のダイジェスト。
自分の考えていることを思い出すリハビリをして
息の仕方をわすれたりしている。

7月22日

朝から心配の余り、慌てふためいて小皿を割り
電車内で泣いて、目の前に腰掛けていた他人を狼狽させ
アルバイト先を落ち着きのないゴリラの如くウロウロしていたところ
吉報が届きましたので
気を落ち着けて父上に電話を入れ
「 ゴリラみたいにソワソワしていましたか? 」
と問うと
「 そうなんだ。というより、まだしている 」
とのたまいました。
やだー、微笑ましいー、もう落ち着こうよー!
そう考えながら、ふっと顔を上げると何故だか見知らぬ駅に居ました。

どうも、はじめまして。
感激の余り、電車を乗り過ごし過ぎた貴女の叔母です。
と自己紹介を。
本日はわたしの姪の誕生日でした。
こんにちは、あかちゃん。

7月23日

懸想の殿方を眺めて
靴が似合うなぁ、と感心した。
靴が似合うってちょっと良いよね。

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