2014 6月 の日記


2014年6月1日

辺りが暗くなってから
生姜焼きと契約を結び、
わたしの血肉骨となることに同意させた。
ところでもう長袖なんて一生着ないんじゃないかしら。

2014年6月2日

主張中のKが、鬼の洗濯岩の写真を送ってくれた。
鬼の洗濯岩とは宮崎県青島から南の巾着島までの海岸線に、8kmに渡り続く波状岩である、らしい。
一目で好きになってしまった。
ゴツゴツした灰色の隆起が幾重にも連なり、スマートフォンの画面を左右いっぱいに広がる。
はるか向こうに見える洗濯岩の終わりには、まさに洗うような波がかかっていた。
鬼の洗濯岩。

①この大きな洗濯岩を使うのは
ものすごく大きな鬼なのだろうか。
それとも、小鬼が群れをなしてパンツ洗ってるのか?

②鬼が洗うのは、おそらく虎皮のパンツであろう。
ゴツゴツした岩に擦り付けて洗っても破れないとは、
虎皮とはなんと丈夫なものか。

③洗濯の後、濡れた超巨大パンツ、又はたくさんの小さなパンツは
どこに干すのだろう。
近所には観光名所「鬼の物干し」も存在するのだろうか。

言葉に男性名詞と女性名詞があるように、
ポジティブな名詞とネガティブな名詞があると仮定すると、
洗濯はポジティブな名詞だ。
命の洗濯、という言葉もある。
汚れたパンツを綺麗に洗い、それをはいて明日も生きていくつもりがある。
そのつもり。
無意識に、そのつもりがある。
洗濯とは、生命の肯定である。

大きな鬼が鼻歌交じりにパンツを洗っているところも、
小鬼たちがワイワイ、岩にパンツを擦り付けて泡を立てているのも、
ユーモラスでちっとも怖くない。
パンツが汚れるのは、生きていることである。
パンツを洗うのは、生きていくことである。
洗濯とは、愛おしいことである。

2014年6月3日

朝、生ハム食べたの。
フルーツと生ハムのサラダなんて、気取ってるみたいでバカにしていたのだけど
作ってみたらとても美味しかったよ。
薄く切られた肉を楽しめるのは、成長期を終えた証であるように感じます。
しかし相変わらず朝ごはんを楽しみに起床します。

2014年6月6日

雨の日に車の運転をする感覚は晴れの日とは異なり、注意すべき箇所も多いと、
耳学問で知ってはいたので、雨の今日、練習に出かけました。
視界が悪いので、足が緊張しました。
ですので、空は泣いていますが、膝は笑っています。

2014年6月7日

ナメクジが一生懸命に壁を這い上るのを見ながら
ナメクジって頑張ってんな
自分は何をやっているのかな
って、ネバネバ怒ってやんの。わたしが、雨の日に。

嫉妬、なんて両方とも女へんじゃねぇか。ぼけが。
じゃあいいか。わたし女だから。
マッハの疾さで妬むし。
女だから女々しいですよ。
最近ナメクジのこと尊敬してるんだ。

2014年6月8日

元気かと問われ、
元気ではないと答えて人に心配をかけた。
「心配ない、OKさ」と言い続けなくてはならない世の中だったね。
みんな頑張っているんだ。心配をかけさせるなバカチンが。
反省し、訂正のメールをする。
「先ほどの返事は冗談であり、実は元気である。
風呂に浸かりリラックスしている。
これから鼻歌を歌うことにした。
鼻歌とは鼻の歌、すなわちノーズソングである。
♪おお、鼻よ
かわいい鼻よ
わたしのあなたの犬の鼻
芥川の鼻、スフィンクスの鼻
カギ鼻、ワシ鼻
みんな、みんな、自慢げに膨らめ
たまにはうどんをちょいと出せ
ああ、こりゃこりゃ」

返信はなかった。
ノーズソングが鼻白む、こりゃこりゃ。

2014年6月22日

アトリエマンションの外廊下にリクガメがいて、甲羅干しをしていた。
この階には二部屋しかないので、どうやらお隣さんは亀を飼っているらしい。
帰りにそこを通ったときは亀はおらず、帰宅していたようだったが、
「ここって亀が昼寝をする道なんだ」と思うと、いつもの道も嬉しく感じられる。
また会えるだろうか。
日常が少し、ドラマチックになった。

2014年6月24日

バイト先から送られてきた給与明細を見ると、先月よりも時給が50円高くなっていた。
何も聞かされていない。
今のバイトを始めて2年。
「貴方が周りに指示をしないと困る」と叱られることが多くなり、
その度に帰り道で
「おほほ。始めて3週間の人と同じ時給で、彼女たちより仕事は多く、休憩時間は少なく、
叱られるとはこれいかに。いつ辞めようかしら。」
と憤ってきたのだ。
時給が上がってしまうと毒づくことが許されなくなり、
1時間に付き50円で中堅メンバーとしての責任を負わなくてはならないのか?
気が重い。
どちらかというと間違いであって欲しいし、
できれば気がつかなかったことにしたい。

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