2014 12月 の日記


2014年12月1日

バイキングが楽しく、湯豆腐とオムレツとカレーライスとパン、という混乱した朝食をとって幸せになった。
幸せなままオオサンショウウオと、イルカと、居酒屋の郵便受けと、再びカレーと、月亭八方さんを見た。
(そのうち一つは高座で座布団に座ってはって、一つはわたしが食べた。)
たこ焼きを持って新幹線に乗り込んで幸せだった。

2014年12月2日

「誰よりも貴方が好き」「誰よりも貴方の幸せを願ってる」なんて簡単に言うのは、ばかばかしいと思うんだよ。
そこで言いたいのは「わたしの気持ちが尊い」ってことだけみたい。
かわいそ。
早く帰って心穏やかにみかんでもお食べなさい。
それで帰り道、リーゼントに
「誰よりもってことは、相手のご両親よりも深い気持ちなのか?どういう立場だコラァ!ご両親なめてんのかコラァ!」
とでも言われればいいのに。

2014年12月5日

ブルスケッタ
ミルファンティ
ミートローフのパイ包み
鯛とホタテのカルパッチョ
りんごのワイン煮

ATMが指紋を認証してくれず、
三台の機械の間を反復横飛び、
カバンに入っていたおしぼりとちり紙で手と読み取り機をごしごし拭いて試し続けたところ、
九回目にして読み込まれたのだが、これは冷え性が原因なのか?
切断された指とでも間違えられているのか?
違う違う。
繋がってるよ。
こんなに繋がっているよ。
指は繋がってて、切ってるのは身銭だよ。
間違っちゃ困るよ、おまえさん。

2014年12月9日

Kが起床してリビングにやってきたのは前夜の予告通り午前11時であった。
わたしは仁王立ちで言った。
「洗濯をする時、貴方はいつも眠っている。
それ故、一向にまくらカバーが洗えない。
一緒に住んでいれば仕事に出た隙に寝具を洗い放題。
まくらカバーを洗いたいから、わたしと結婚して頂戴。」
Kは複雑な表情を浮かべて
「まくらカバーのことだけで?」
と言って唸った。
何か粗相があっただろうか。
しかしこう言っておいて何だが、寝ているから洗えないなんて気を使うのは今だけで、
遠慮の欠片もなくズカズカと寝室に入るのだろう。
「起きなくていいからまくらカバーを外させて。今だけこのタオル巻いて寝て。
窓の結露が酷いから起きたらそのタオルで拭いてね。まったく遅くまでゲームしてからに。」
などパーパー言う自分が目に見えるようだ。
しかしこれは黙っておこう。
どうせいずれバレるんだから黙っておいても同じだろう。
隠蔽はしていないから罪にはなるめえ。

2014年12月16日

あのさ。
片想いの時は、相手の分身とずっと一緒にいられる気がするね。
心の中に住んでる、小さな君と色んなものを見て、想像で一緒に居られて、それで満足なんだけど。
君のことが勝手なイメージじゃなくなったときに、
君の分身は側にいなくなっていて、
君は君だけになりました。
だから、君の不在をありありと感じられて、会いたくなるんだよ。

そんなこと、考えながら
[噛めば噛むほどチョコレートの味わいが染み出すプレッツェル]という触れ込みのチョコレート菓子を食べていたのです。
確かに、噛めば味は染み出すけれど、
噛めば噛むほど口の中から無くなるプレッツェル、という表現の方が正確だと思いました。

2014年12月17日

雨戸を開けると隣家の屋根に霜が降りて美しい。
「涼しい」と口にするように心がけている。
気温の低さを「寒い」とは言わない。
加えて「涼しい」と言った後に
「この気温だと、鍋が美味しいよね!」とか
「湯呑みを握った時にほっこりするね!」とか付け加える。
「茹で上がったほうれん草の粗熱がすぐ取れる!」とか。

人が遊ぶハレの日に、カーテンを閉めて体育座り、
晴天の日も折りたたみ傘を脇差しの様に携え、
遭難しそうだからと山にも海にも出かけず、
落とすことを前提で財布を選ぶ。
そんな自分は、人が震える日にこそ明るく振る舞うのが筋ではないかと考えたの。
冷えた唇を上下で合わせてついばみながら、
「涼しい!」「室温でチョコが溶けなくて良いなあ!」と嘯いた。

2014年12月25日

人で溢れかえる新宿伊勢丹の地下のお菓子屋さんで、
買ったものと違うケーキの入った箱を受け取り、持ち帰った。
それに気がついたのが帰宅後。
お店に電話をかけると
すでに取り違えを把握しておられ、陳謝してくれた後、
「今日ですから…クリスマスケーキですよね。
是非ご自宅までお届けしたいんですが、いかがですか?」
と言って、寒風吹きすさぶ街を抜け、
我が家までケーキを持ってきてくれたのだ。
客の気持ちに寄り添うサービスに感動し、
「すごいですね」と思わず口にすると
「お恥ずかしい限りです」と少し微笑んでお辞儀を返された。
お金持ちになったら、全てを伊勢丹で買いたい、と思った。
虫ピンから口紅、ゴールドバー、哺乳瓶、七福神の置物、自分の仏壇、月への旅券、まで全て。
ケーキはすこぶる美味しく、クリスマスの夜はてっぺんに星をつけてピカピカと輝いていた。
思わず [伊勢丹 すごさ] でインターネット検索をかけてみると、
関連キーワードに現れたのは
[ビートルズ すごさ]
[上原 すごさ]
[武豊 すごさ]
[ピカソ すごさ]
[イチロー すごさ]
[天皇 すごさ]
であった。
すごい。

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