2015年4月19日

名前の知られた大学を卒業している芸人さんたちが、
自分の学習方法やルールを発表し、成功例や失敗談を語る
「勉強しかしてこなかった芸人」というテレビ番組を
数年前にアメトーークで放送していた。
その中で、笑い飯の哲夫さん紹介していた
「逆暗記法」という暗記術をご存じだろうか。
それがどういうものかというと、歴史の時間に、
例えば、室町時代の将軍の名前を憶えようとしたとする。
足利義満と足利義政、どちらが五代将軍でどちらが八代将軍なのかが
分からなくなった場合、
逆暗記法が活躍する。
まず、二人の将軍の名前を五十音順で並べると、義政の方が早いので
「よしまさ」「よしみつ」の順になる。
しかし、五代将軍は足利義満で、その孫にあたるのが八代将軍足利義政なので、
この場合は「五十音順の逆」と覚える。
これが逆暗記法だ。
もう一例。
大阪冬の陣と夏の陣の順番を憶えたいとき。
四季は春夏秋冬と並ぶので、夏の後に冬が来て、
大阪の陣も「夏の陣」「冬の陣」の順番で起きたように早とちりしやすいが、
夏の陣は1615年で、冬の陣は1614年の出来事なので、
この場合は「四季の逆」と覚える。
逆暗記法をご理解いただけただろうか。
テレビの中ではこの暗記術を「意味ないやん」「覚えにくい」と酷評、
哲夫さんのボケのように扱われていたけれど、
この方法で記憶に「逆」を植えつけて暗記をしている人は一定数いるだろう。
少なくともわたしは、逆暗記を活用してテストや受験に臨んでいた。
逆生時代に。

さて、わたしは土日にアルバイトへ行きます。
アルバイト内容はざっくり言うと
「営業さんと、そのお客様に、親切にすること」。
「○○さんに伝言する」「××さんに書類を渡す」という親切も多く、
営業さんの顔を名前を覚えていないと苦しい。
今日配属されたのは、初めての現場だったが、
三年弱、同じアルバイトを続けているので、
配属先に顔見知りが1人もいないことは少なくなっていて、
顔と名前を知っている方が現場の約三分の一、
残りの方(15名)がはじめましてだった。
営業時間中、先輩に名前を教えてもらいながら、
通り過ぎる営業さんの顔を舐めるように見つめ、
脳のしわに特徴を刻み込んでいたけれど、
3年弱の間に記憶した、似た名前の営業さんと混同してしまう、
慣れているための困惑もあった。
「ミカミさん」が覚えられない。
お顔は憶えたし、漢数字の二か三がつく、
というぼんやりした情報まではたどり着くが、
二や三の付く、他の営業さんの苗字と混ざってしまう。
らちが明かないので、一度、漢数字が付く苗字という情報を捨てて、
「ミカンさん」と憶えた。
甘くて酸っぱい、冬に有田や和歌山でよく取れる、あの果物。
頭の中のキーボードで、「二」や「三」に続く予測変換は数多あるが
「ミカ」に続くのは、まず「ミカン」だし、
「ミカンじゃない」と憶えれば次候補が「ミカミ」になる(はず)。
ミカンに似てるけど、違う苗字。
名前の記憶を手伝ってくれていた先輩に
「“ミカンじゃない”と憶えます」と宣言したら、
怪訝な表情をされた。

もうひとかた、「オカダさん」にも悩まされた。
知っているイワタさんに雰囲気が似ていて、間違えてしまう。
苦戦。
それでも暗記を始めてから時間がたって、
営業さんお名前クイズを先輩に出題してもらったときには、
オカダさんもしっかりと憶えてられていて、
偉い偉いと誉めそやしていただいたので、
「イワタ情報をクリアしてから、“オカメじゃない”と憶えました」と報告したら
またしても、先輩の美しい眉が動き、訝しげな顔になってしまった。
違うのか。
それならば他の方がは人の名前をどうやって憶えているのかしら。
だけど、逆暗記と同じで、
「○○に似ているけど、そうじゃない」という記憶の仕方も、
一定のご支持をいただけるのではないかと考え、ここで報告いたしました。